任務がたまりにたまってるけど消化できない

 パラオ泊地は12月だというのに気温は30℃を超える。
 南国だから仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけれど、四季は感じたいと思う。

 港は度重なる工事で内地と変わらないほどに整備され
 港に隣接して比較的新しい倉庫やら格納庫やらが連なる。

 そんな港の一角にあたしは体育すわりで沖合を眺めていた。
 なお、目は死んでいる。

 欧州遠征から帰ってきてこっち、消費した資材確保に走り回り、
 各海域の再攻略まで同時並行で実施した結果、
 あたしは燃え尽きていた。

 雷ちゃんに慰められても復活できるかどうかという感じだ。

 冬季攻勢が始まりそうだというのに、いまだ
 ロケット攻撃機、秋水も景雲改も、爆戦岩井も夜間戦闘機も
 持っていません。

 じぇば提督です。

 口から半分でた魂がこんにちはしていると、近づいてくる足音が聞こえてきた。
 我に返り振り向くと、大淀がこちらに近づいてくる。

「提督、おつかれですか。」

「大淀、
 半年はかかると見込んだ資材集積を2ヶ月で終わらせたのよ。
 よくぞ集まったというべきよ。」

 体育すわりのまま、顔をあげる。
 途中秋刀魚漁に出てもこの結果である。
 正直ほめられたい。 

 そんなあたしのすがりつくような視線を冷静に返す大淀。

「では資材もたまったことですし、中部太平洋も6-3まで攻略しましたし、
 そろそろ溜まった任務、進めませんか?」

「え?お仕事ついか?

 血の気が引くとはこのことだ。
 お休みは無理としても、出撃数を減らしたりを考えていたのだけれど。
  
「1年以上塩漬けになっている任務もありますよ。
 そろそろ進めた方がいいと思うのですが。」

 残っている任務は、サーモン海や中部太平洋が舞台である。
 いったいなんの目的があってか、嫌がらせのような出撃制限を課されている。
 あたしはジト目で大淀を見つめる。

「もうすぐ冬攻勢が始まるという時に大本営は何を考えているのかしら。」

 うーんと人差し指をあごにあて、大淀が考えていますよポーズをする。
 あれ、ひょっとして大本営関係ないとか。

「うーんと、ああそうです。」

「ああそうです言った!?」

「作戦前に敵の戦力を漸減できますよ。」

 あたしのつっこみを無視し、まぶしい笑顔で言い放つ。

「それに、開発資材はまだまだ不足しているでしょう。」

「まあそうなんだけどね。」

 任務を完遂すると、いろいろと資材の特別補給が受けられる。
 しかし、
 
「正直、めんどくさいです大淀。」

「もう、また椅子に縛り付けちゃいますよ。
 いいかげん任務が止まっていて、内地の技術開発部門から早く新兵器の実験させろと訴えが・・・」 

「え!?なにそのマッチポンプ。
 新兵器があるなら先にちょうだいよ!!」

 思わず身を起こしたところで、大淀に組み敷かれる。

「さあさあ、お仕事しましょう提督。」

「いーやー、お仕事いやだから新兵器だけちょうだい。」

南国にあたしの叫びがむなしく響きわたった。

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